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アーサー
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「ユーリ、そんなに端っこにいないで…こっちに…」
不思議な気持ちだった。
悲しさはあるが、どことなく前向きになれる
どうしようもない暗い気持ちと、目の前にいる子供を見ると安らぐ気持ち
ユーリは申し訳なさそうにちょこちょこと近寄ってきては不安そうな目をして、アーサーが顎を撫でると嬉しそうに目をつむった。
「…気持ちいいか…?」
「ふぁ…ぃ……きもち…い…です…」
「こっちへ…」
膝を叩いて座るように促すと戸惑った様子を見せたが、しばらく待っていると観念したようにそろそろとアーサーの足の上に座った。
続けて頭を撫でたり、頬を撫でたり、時間をかけてユーリを愛でる。
「…あ、アーサーさまは…おれのご主人さまに似てます…ね……」
ユーリはとろんとした目でそう言って、自分から擦り付けるように頭を動かした。
「…そうか……」
「…その…その、『そうか』って、よく言ってたような気がします…かっこいいですよね…」
「…そ、そうか……」
ユーリが言っているのは記憶の中のアーサーのことだが、その”記憶の中のアーサー”は自分で……
考えるとややこしくて頭が痛くなりそうだが、アーサーは口を押さえて恥ずかしさを隠した。
「…アーサーさまは…いつ…来てくださるのでしょうか……」
うとうととし始めたユーリに、アーサーはその髪を少し掬い上げてキスを落とす。
「…すぐだ……すぐに…な……」
スースーと寝息を立てる子どもが愛おしい
同時に、この複雑な現状を招いてしまった自分を恨んだ。
「……ユーリ……早く”お前のアーサー”に合わせてやるからな…」
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