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察
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ユーリは、なんとなく気がついていた。
思い出せない主人の顔と毎晩のように見る嫌な夢。
そして自分を預かっているという優しい”この城のアーサー”は何故か自分のことをよく知っている。
メイドの名前までもが同じなのも奇妙で、城を歩いているとなにか不思議な感じがしていた。
この城を知っている。
”アーサー”の城から出たことのないはずの自分が。
きっとなにか、重大なことを忘れているのだ。
考える度に頭の中に響く声が、自分の声だと気がついたのは最近のこと。
「思い出すな」というのは、裏を返せば自分が何かを忘れているということの証拠だ。
ユーリはアーサーに撫でられながらどこか遠くを見つめていた。
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