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藁
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一方でアーサーも、ユーリの頭を撫でながら様々なことを考えていた。
どうすればユーリの記憶が戻るのか
毎晩ユーリの涙を拭っては心を痛め、眠れない夜を過ごしている
一見全てを忘れたかのようなユーリも夢の中では今もずっと苦しんでいるのだ。
花畑に行き、絵を描かせ、パイを焼いて、アヒルのオモチャやあの”うさぎ”と”くま”の人形も与えたが、ユーリは「似ている」と言っただけで結局思い出してはくれなかった。
「…どうすれば良いのだ……」
もはや手は尽くしたと思うが、まだやれることがあるはずだ
…というより、実はまだある。
だが、アーサーはそれをしたくなかった。
(……実際に拷問をしていた部屋に連れて行けば…何か思い出すかもしれないが……)
気が進まないのは明らかだ
それに、もし連れて行って思い出さなければ、ただ怖がらせるだけに終わってしまう。
「………………地下……か……」
ふと、思い出した。
確か地下に、ユーリの慕っている人間がいたはずだ、と。
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