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ルジン2
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風呂に入れられ、髪を切られ、服を清潔なものに変えられ、ルジンはようやくある1つの部屋に連れてこられていた。
扉にまで精巧な装飾が施されていて、その1つ1つをまじまじと見つめているとメイドがおもむろに口を開いた。
「このさきにアーサー様がいらっしゃるわ。くれぐれも失礼のないように。逃げようなんて思わないで。」
「…?…はい…」
(…こんなとこまで連れてきて着替えまで……アーサー本人が会うつもりなのだろうか…仮にも奴隷の俺に殺される可能性は考えていないのか…?……まさかユーリに何か………)
「…………、……ふー……」
色々と頭に浮かんだが、ルジンは一度深呼吸してからノックをした。
第一印象は纏っている空気が違う、ということだった。
長いブロンドの美しい髪と、その下品でない高級な衣類は端正な顔をより引き立てていてルジンは一瞬息を呑む。
「…お前が…」
「………………………」
固まっているルジンにアーサーは指で1人掛けの椅子をさして「座れ」と指示をした。
ルジンは黙ってそれに座りアーサーの次の言葉を待つ。
アーサーは眉間にしわを寄せながら思いつめた表情でルジンの前に座った。
「……話を、聞いてほしい。」
アーサーの真面目な態度にルジンも顔つきを変える。
今自分は”1人の人間”として見られているのだと感じた。
その気持ちには応えなくてはいけないと、そう思った。
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