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ルジン3
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その後今までの経緯とユーリの今の現状、そしてアーサー
の気持ちまでを包み隠さず聞いた。
もちろんアーサーのユーリに対する理不尽な仕打ちには怒りを覚えたが、目の前のアーサーを見ていれば怒鳴りかかることなど到底出来そうもなかった。
それに、自分に頼るなど相当困っているという証だ。
「……アーサー様は、ユーリをよほど大事にして下さっていたのですね。ありがとうございます。」
「……………あぁ…大事だ……今も、これからもずっと大事にしたいと思う。」
アーサーは握った手を見つめてそう言った。
「…そうですか…」
「……だから、お前にユーリに会ってほしい。」
「わかりました」
「……助かる。」
話を終えようとしたアーサーに、ルジンは思い切って声を上げた。
「ただ1つ条件が。」
「……………なんだ」
「ユーリの記憶が戻ったら、地下の奴隷たちを自由にしては下さらないでしょうか。」
臆することなくアーサーの目を見てルジンはしっかりとそう言った。
「あぁ……そうだな……そうだ……遅すぎるぐらいだな……」
てっきり渋ると思ったアーサーはすぐに頷いてブツブツとそんなことを呟く。
(この人…ほんとにユーリしか見えてなかったんだな……)
もはや目の前の男の世界にはユーリと自分しかいないのだろう。
嬉しくもあり、腹立たしくもある。
だがルジンはそんなアーサーに協力してやろうと決めた。
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