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侵入 (sideアドルフ
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「ここか。」
大きな扉の前に立つ。
ここは城でも大きい方の部屋だ。
それがさらにアドルフをイライラとさせる。
アドルフはズボンのポケットから鍵を取り出すと、鍵穴に差し込みゆっくりと回した。
『カチャリ』
鍵が開いたのを確認し扉を開ける。
「っ……!」
おもちゃおもちゃおもちゃ
見渡す限りおもちゃ。
自分が放棄して行ったおもちゃが所狭しと置かれているのに唖然とした。
僕のおもちゃなのに。
全部あげたの?
これ全部?
フツフツと怒りが込み上がってくる。
少し痛めつけてやるつもりだったけどやっぱやめた。
ギリギリまで痛めつけてやる!
傷が残るのはまずい。
アドルフはどうやって痛めつけてやろうかと考えながら、ベッドに向かった。
「…こいつか……」
スースーと気持ち良さそうに小さな寝息を立てている横顔はとても綺麗だった。
しかもとても小さい。
…アーサー兄ちゃんが大事にするわけだ。
いっそのこと顔に傷を付けてやろうか。
一生消えないような………
…ってダメだ。
痕が残るのはダメなんだった。
服に隠れるところにしよう。
それならわからないし着替えはメイドに任せているだろうからメイドに言わせないようにしておけば着替えた時にも気づかない。
完璧だ。
そうと決まれば早くこいつを夢から覚めさせなければ…
アドルフはユーリの腹付近を狙って思い切り足を振り下ろした。
「っ!!げほっ!げほっげほ…!!」
案の定咳き込みながら悶えたユーリはベッドからずり落ちる。
足下に転がったユーリの腹をもう一度蹴ると、再び咳き込み涙目でアドルフを見上げた。
「…ぁ……あーさ…さま……?」
寝ぼけてんのか。
「ちげーよバカ野郎…立て。」
ユーリは腹を抑えながらゆっくりと立ち上がる。
小っさ………
しかも細いし白い。
「だ…誰…?」
「誰じゃねぇよ。お前こそ誰だ。アーサー兄ちゃんに漬け込んだりして…!!」
「…つ、けこむ……?」
言葉の意味もわかんないのか?
バカだこいつ。
「…俺はお前より上の立場にある。言葉には気をつけろ。」
「…ぁ………申し訳ございません…」
「許さない。」
ヒュッと足が空を切る。
と、同時にユーリの体が崩れた。
「許さない……許さないぞ…お前なんか死んじゃえ…!奴隷のくせに!!」
容赦なく蹴りを浴びせた。
もちろん服を着たらわからないようなところに。
下からは「ぅっ」とか「ぁ」とか小さな悲鳴が聞こえ続ける。
泣け。
泣いて許しを乞え。
許さないけどな。
「っ…うぁ…ぅ…や、めて下さ……おねが………しま……あっ……!!」
「うるさい喋るな!」
ああ不快だ。
こんなやつに僕の物を盗られて……
しかしただ蹴っているのにも限界がある。
アドルフはキョロキョロと辺りを見渡した。
「………あ…」
ベッドの上にアヒルが転がっていた。
一目でわかる。
お気に入りだろ。これ。
一緒に寝るくらい好きなのか。
そうかそうか。
アドルフは一旦蹴りをやめ、泣いているユーリを見下ろしながらゆっくりとベッドの上のアヒルに手を伸ばす。
これを壊そう。
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