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「アーサー様、俺はわかりました」
食事が終わり、窓の外の花を見つめながらルジンは自信満々にそう言い放った。
「…!どうすれば良いんだ…?」
アーサーは少し驚いた顔で啜っていた紅茶を置きルジンの話を聞こうと耳を傾ける。
ルジンは咳払いをしてアーサーに向き直った。
「まず、アーサー様はユーリとのコミュニケーションが圧倒的に足りていなかったのだと思います。ユーリの好きなものとか、嫌いなものとか、きちんと把握してますか?」
「……コミュニケーション…か…まぁ、そうだな、全て知っているというわけでは……」
「そこですよ!遠慮してはいけないんです!!もっとグイグイ聞くべきですよ!!お前に興味がある!と態度で示してあげてください!!」
「……わ、わかった…」
「ユーリのことがわからなくて、話すことより物を与えたりしてませんか?ユーリは喜ぶと思いますけど、本当にユーリのことを知りたいならそれではダメですよ?」
「……それは……」
「こう言ってはなんですがユーリは少し鈍感なんです!言葉に出してあげないと!!思ったことは素直に、お願いしますね」
「………思ったことは素直に…?む、難しいな……」
「ユーリとあなたしかいないんです。恥ずかしがったりしてちゃんとお互いの気持ちを伝えてないから、こんなに拗れたんですよ。」
「………あぁ…、そうだが…」
「ユーリが起きたら、散歩でも行ってあげたらどうですか?今日はユーリに1日付き合ってあげてください。居心地が悪くなっても、逃げたりしないでくださいね。」
「…ユーリと一緒にいて居心地が悪くなったことは…ない…ただ…ユーリが遠慮をする…」
「そこで引くから、ダメなんですよ。ユーリが遠慮しても、しつこくアーサー様から構ってあげれば、ユーリも喜びますよ。」
「…わかった……」
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