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凶報 (sideアーサー
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アドルフがユーリの部屋に侵入する数十分前。
アーサーは大きなふわふわのくまのぬいぐるみとうさぎのぬいぐるみを見比べていた。
どっちだ……
どっちが………
「…………どちらの方がユーリと仲良くできる……」
至極真剣な顔でぬいぐるみに問いかける。
返事は返ってくるはずもなく。
………定番はくまだろう。
しかしユーリといえば『うさぎ』という感じがする。
………どちらも買おうか…
…いや…それだと特別にならない気が……
そこでユーリがそれぞれを持った姿を想像してみた。
遊ぶとき
食事のとき
寝るとき
……どっちが…………
……ダメだ…どちらにしろユーリが可愛いすぎてそれどころじゃない……
アーサーは暴走しかけた妄想を必死に止めた。
…危うくユーリを((自主規制))するところだった……
………こうなったらユーリに選ばせるか…
その方が確実だ。
アーサーは2つのぬいぐるみを鷲掴みにすると、レジにのせた。
「これをラッピングしてくれ。子供用だ。」
「かしこまりました。」
ぬいぐるみ達が店員によってそれぞれカラフルな箱に詰められていく。
アーサーはそれを真剣な目で見つめていた。
しばらくその作業を見ていると、忙しない音を立てて店のドアが開いた。
ドタドタと走る音聞こえる。
……静かにできんのか……
アーサーは近づいてくる足音に少し眉を寄せた。
「アーサー様!!!」
「!」
呼ばれた名前に驚き振り向くと、城に置いてきたはずのメイドが少し息を切らして立っていた。
…何故ここに……
「…お前……アリア………仕事は……」
「……っは……ユーリが…!!!」
「…!」
「…そしたらリザが部屋の場所と鍵を……」
馬車に乗り込みアリアに詳しい事情を聞く。
……どうやらあまり…いや、すごく良くない状況のようだ。
何でもかんでも破壊する、自分の思い通りじゃないと我慢が出来ない……
たくさんの自分のおもちゃに囲まれたユーリを見たら、どんなことが起こるか……
小さいユーリは格好の獲物だ。
…早く……帰らなければ……
………ユーリ…………………
アーサーは焦る気持ちを抑えながらも、御者に急ぐように言った。
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