アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
一歩
-
「ゆ、ユーリ、ちょっと…こっちへ…」
「…?あ、アーサーさま…!お、おはようございます…」
寝起きで目を擦りながら歩いていたユーリはアーサーに呼ばれると慌ててアーサーの元に駆け寄ってきた。
転びそうだとハラハラしたアーサーも少し歩み寄ってユーリを受け止めるように肩を抱く。
「…どうしたんですか…?」
「…今日は、私と…その、朝の散歩にでも行かないか…」
「……さ、さんぽ……?ですか…?お、おれと…?」
「…、お前が…嫌なら……」
首を傾げるユーリにやっぱり止めようと言おうとしたアーサーだったが、後ろから聞こえた微かな音に振り返った。
(アーサー様!!しっかり!!伝えて!!自分から!!)
壁から少し頭を出したルジンが身振り手振りを加えて必死に指示しているのが見える。
アーサーはまだ不思議そうな顔をしているユーリの肩を掴んで目線を合わせるように膝をついた。
「え、あ、あの…アーサーさま…?あの…」
ユーリも驚いていたが、それ以上にアーサーの心臓が破裂しそうだった。
「お前と一緒に、行きたいのだが…嫌か?」
目を見つめてそう言うと、ユーリは湯気が出そうなくらい赤い顔になってこくこくと頷く。
振り返るとルジンが親指を立てているのが見えた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
206 / 207