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新しいおもちゃ? (sideアーサー
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「ユーリ…大丈夫かユーリ…どこか痛いところは……」
「…ふ…ぅ…っ……うえええぇぇぇ……」
「ユーリ…」
背中を摩るが嗚咽を漏らすだけで一向に泣き止む気配はない。
まぁそりゃそうだろう……
ちらりとユーリの手の中にある物を見る。
首や羽の部分が見事に剃り落とされて…
「今度同じ物を買ってやるから……」
「ぅっ…っふ…う?…」
ユーリはふるふると首を振りアヒル(の残骸)を手の上にのせる。
「…ぅぇっ……?っ……ううぅぅう……」
どうやらどうしてもこのアヒルがいいらしい。
「…じゃあ修理してもらうか?」
「……っぐ……ぅ…しゅ…り…?…ふ…」
「綺麗に…元どおりにしてもらうんだ。」
アーサーは壊れたアヒルごとユーリの手をそっと包んだ。
「そしたらきっと戻る。……だからもう泣かなくていい。」
「……ほんと、に…もどる……?しゃべる…?」
よほど焦っているのか敬語が崩れている。
まぁ……そっちの方が私はいいのだが…
「戻る。音も鳴……じゃなくて喋る。」
「ほん、とっ!?アーサーさまほんと!?」
ユーリは涙のせいでキラキラと綺麗に光る瞳をこちらに向けた。
やめろ、悩殺する気か。
「……それに…お前にはもっと良いものを買ってあるしな…」
「…………………?」
「ちょっと来てみろ。」
ユーリは訳が分からない様子でアーサーを見上げながらも立ち上がった。
もちろんアヒル(の残骸)を持ったまま。
「…きれい………」
ユーリはアーサーの部屋の真ん中に置かれている大きな2つの箱を見つめていた。
確かに箱は綺麗かもしれんが……見せたいのは中身だぞ………
「……ユーリはうさぎとくまだったらどっちが好きだ?」
「………?」
…うさぎとくまが分からないか……
アーサーはおもむろに箱に近寄りリボンを解いた。
そしてユーリを手招きで呼び中を覗かせる。
「??」
「出してみろ。」
アーサーはユーリからアヒルを受け取る。
「……………ふわふわ……」
ユーリは一瞬ピクンと触れ、安全を確認すると両手を突っ込み引きずり出した。
「………あ…!」
「…どうだ?」
ユーリが出したのはくま。
……気にいるだろうか………
「……え、えっと……おれ、は……これをどうしたらいいですか……?運びますか?」
ユーリは困ったような顔でアーサーに笑いかける。
「あぁそうだそれが………………………ん?」
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