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不安定
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「お花、ほんとうにきれいです」
「あぁ、そうだな…」
ユーリと手を繋いで歩くと一層綺麗に見えるとアーサーは本気で思っていた。
ユーリは花を1輪1輪見るかのようにゆっくりと歩いている。
アーサーもそれに合わせるようにゆっくりと歩いた。
「…お前は…本当に……」
「……?」
途中で言葉を止めたアーサーにユーリが首を傾げる。
木に隠れたルジンが必死にアピールしているのが見えた。
「…、…美しい、…と、思う…」
「…ぇ…、あ…、………あ、そ、そうですね…!お、お花…が…ってことですよね…思います、おれも、お花、きれいだとおもいます…」
ユーリは顔を赤らめながら自分に言い聞かせるように何度も頷く。
「……いや、花より、お前が。」
「…………、…」
「こんな花、お前に比べれば、全て、」
「…っ……は、恥ずかしい…です…からかわないで、ください……」
アーサーが最後まで言うのを止めたユーリは顔を伏せて首を振った。
「ユーリ」
「っ、わ、…」
ユーリの肩を抱き寄せて、精一杯の愛情を込めてその額にキスをする。
「……私は、罪を犯した…ユーリ、許してくれ…お前を…愛している……」
今まで面と向かって言えなかった言葉を、やっと口にする。
グッ、と小さな細い体を抱きしめた。
だが、何も返ってはこない。
「……ユーリ…?」
いつの間にかユーリはアーサーの腕の中で気を失っていた。
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