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甘々主人2 (sideアーサー
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「…ユーリ、震えているぞ。大丈夫か。」
「だ、だいじょぶです。」
「…………そうか。」
いや、ぷるっぷる震えてるんだが。
握る手の力を少し強めると、ユーリはアーサーを見上げ笑みを見せた。
「この部屋だ。」
ユーリに言うとユーリの体が一層強張ったのがわかった。
「入るぞ?」
「は、はい……!」
まぁ私が守るからアドルフがどうとかは最早関係がないわけなのだが。
扉を開けるとリザに頬に氷嚢で手当てされているアドルフが一人用ソファにふてぶてしく座っていた。
「痛いか。」
アドルフの座る席の並びのソファにユーリを座らせアドルフとユーリの間に己の体が入るように自分も座った。
アドルフはしばらくしておもむろに口を開く。
「…おかげさまで……腫れてるよ……」
「そうか。」
「………………痛い。」
「こいつの方が痛そうだ。我慢しろ。」
ユーリの肩を抱きそばに寄せた。
ユーリは一瞬詰まったような息を吐き目を見開いたままアーサーに身を任せる。
「ぁ、あの、だいじょうぶです、い、痛く、ないです……」
「ほら!痛くないって…!」
「黙れ。」
「っ………」
まくしたてるように言ったアドルフを一喝しユーリの頭を撫でてやる。
ユーリはくすぐったそうに目をつむった。
やはり可愛い。
「………たかが奴隷に……」
アドルフはいつもより柔らかげな表情のアーサーを横目に不貞腐れながら言った。
ユーリの形のいい頭に手を載せたままアドルフをちらりと見やる。
「……お前よりは可愛げがある。」
「なっ…!?」
アーサーの思わぬ言葉にアドルフは絶句し押し黙った。
「………アーサー様は…少しユーリに甘すぎますわ。」
リザは氷嚢の位置を変えながら小さく言う。
「今回はそれが原因か?……まぁ可愛いんだから仕方がないだろう。なぁ、ユーリ。」
「…や、やめてください………はずかし……です………」
「…………うむ。」
ユーリはアーサーの腹らへんを控えめに押し真っ赤になったまま俯いた。
何だこれ可愛すぎて……
もっと近くにとユーリの肩をさらに抱き寄せ、かすかな体温を感じようと己の体にぴったりとくっつける。
アドルフはアーサーのあまりの変わりように唖然として見ていることしかできなかった。
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