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Episode19
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「…君の反応から察するに、君が目隠しをされてから
何年も経っているんじゃないかな?」
そう言うと、担当医は俺の顔を覗き込んできた。
割と近くに来ているのに、相手がボヤける。
「目の焦点、合っていないね。僕がボヤけて見えるんじゃない?」
確かにその通りだ。
距離に関わらず相手がボヤけるのは、きっと視力低下だけの所為じゃない。
「君は長年自分の目で情報を捉えられていないし、更には焦点も上手く合わせられてない。
一刻も早く、目隠しを外す必要があったんだ。」
無理矢理だったけど、と担当医は付け足した。
「見えている目を無駄にはしたくなかった。」
でも、今更で治るのか?
何年も、焦点なんて合わせた事なかったのに…。
担当医はそんな俺の気持ちを汲み取った様に言った。
「大丈夫だよ。君にはたっぷり時間があるから。」
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