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Episode27
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『あぁ本当だ。私を呼んだのは間違いじゃなかったらしいね。』
『すみません、内科は本当に駄目で…』
『良いんだよ、人には向き不向きがある。』
誰の声?
一人はいつもの担当医の声で、あともう一人は老人の様な声。
医者が、二人?
「…ぁ…」
やっと少しだけ声が出たけど、掠れすぎて聞けたものじゃなかった。
でも、医者は気づいたらしい。
「おや、意識があったんだねぇ。喉と頭痛か…薬を出すから、これ通りに飲ませてね、珠川君。」
「はい、ありがとうございました。」
ドアが開閉音がした。
「…ちょっとごめんね。口、開けられる?」
「…ぁ…み、ず…」
喉がカラカラで、声も何もあったもんじゃない。
何とか水と言うと、担当医はベットの背凭れをゆっくり上げ、ストローを口元に当ててきた。
弱い力で吸うと、少しずつ水が飲めた。
半日ぶりの水だけど、大分元気が出た。
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