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Episode29
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次の日。
「うん。熱下がったね、良かった。」
担当医の声。
俺は今日も目隠しをされている。
目隠し越しに、日の光が見て取れる。
一度外してしまうと、もう付けたくなくなる。
…日の光が見たい。
怠い身体を動かして目隠しを触る。
今のこの状況なら外す事だって出来るが、何だか身体と頭が別になった様に、目隠しを外す事を戸惑ってしまう。
持ち上げた手でとりあえず目隠しを触ってみる。
「目隠し取りたい?」
そんな声が聞こえてきた。
曖昧に頷くと、カーテンを閉める音が聞こえた。
ここの病室は遮光カーテンだから、閉めた途端に目隠し越しの光源が見えなくなる。
「今、外すからね。」
少し冷たい手が顔に触れる。
目隠しが外され、目が外気に晒される。
ベッド横の淡いスタンドライトのお陰で、病室を見る事が出来た。
やっぱりぼんやりしている目で見た担当医は、こころなしか嬉しそうに微笑んでいた。
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