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Episode36
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ご主人様に依存していく一方で、ご主人様と離れたいと思う気持ちが次第に出て来た事もある。
でも、ご主人様の事が大好きなのは確かだった。
だからこそ、離れられなかった。
俺は元々軟禁されていただけだったから、逃げようと思えばいくらでも逃げられた筈だった。
ご主人様の事を好きで、愛していて、それでいて怖くて。そんな正反対の感覚が、俺をご主人様に依存させていたから。
多分、俗に言うストックホルム症候群に近い状態なんだと思ってる。
だからあの日に警察が来た時、内心では色々な感情がせめぎ合っていた。
ご主人様と一緒に居たい。
ご主人様から離れられる。
ご主人様は俺を追ってくるんじゃないのか?
それらがせめぎ合っていて、更にご主人様が誘拐犯だと聞かされて、処理が間に合わなかった。
でも今の俺は、何も出来ない。
ご主人様に依存しきって、行動言動の一切を管理されていた俺にとって、この状況は地獄でしかない。
恐怖を感じていたとしても、俺はご主人様を親として見ていた事だって何度もある。
だって、物心つく前から俺を育ててくれたのはご主人様で、生みの親よりも一緒に居る時間だって圧倒的に長かったから。
けれどこうなってしまった今、俺はご主人様と生みの親をどう見れば良いのか、分からないでいた。
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