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Episode45 side時雨
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侑君が病室に居ない。
それだけで、何故か異常な胸騒ぎがした。
トイレに行っているかも、とは全く考えなかった。
きっと、精神科医なら一度は考える事。
それを俺は、あって欲しくないと思いながら病院を走り回っていた。
眼科、内科、外科、心療内科、小児科…。
居そうな場所をどんどん見ていく。
彼は記憶力が良いから、「此処には居ないだろう」なんて見くびってはならない。
きっと彼なら、地図を一度見れば覚えられてしまう。
*
何処にも居ない…。
だんだん、嫌な予感が増していく。
…『屋上』?
ふと、それが頭に浮かんだ。
屋上になんて行った事なかったから、僕の捜索エリアに入ってさえいなかった場所。
縋るしかない。
一歩進む事に増していく不安、心配。
「侑君っ!」
…屋上へ着いた時、自分の嫌な予感が当たってしまった事を知った。
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