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Episode47
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「湊っ!」
漸く辿り着いた。
「湊、どうして泣いてるんだ?何かあった?」
「…っう、にーたんがぁ…」
「俺?」
「にーたんが、おめめあけないからぁ…」
その言葉を堺に、大声で泣き出した湊。
「俺が起きない」?
なんで湊がそれを知ってる?
「…うぇ、ひっく…にーたん、おめめあけてよぉ…」
湊、なんでお前がそれを知ってんだ?
「…っひ、にーたん、おみみ、で、きーて?」
湊の言う通り、耳を澄ませてみた。
すると、ぼそぼそと何かが聞こえてきた。
けど、何を言っているのか聞き取れない。
目を瞑って、全神経を集中させた。
すると聞こえていた叫び。
『にーさんっ!』
兄さん、ってまさか…。
「湊…なんで…?」
「にーたん、おめめ、あけてよ…」
湊が、今にも溢れ落ちそうな涙を堪えて、必死に「起きて」と言っている。
『にーさんっ!起きろよ!』
「にーたん、おめめ、あけて?」
『にーさんっ!』「にーたんっ!」
俺の頬に何かが伝った途端、暗闇は霧散した。
遠くに光がある。
何故か、光に向かわないとならない気がした。
その光が、湊自身の様な気がした。
気がつけば俺は、光へと走り出していた。
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