アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode50
-
俺を呼ぶ湊の声が、だんだんハッキリ聞こえてくる。
ずっと、俺を呼んでくれている。
…あ、声低くなったな。
少し、掠れてる。それとも、元から掠れ気味?
少し低くて澄んでいて、綺麗な声。
湊を自分の目で捉えた時、俺は目を覚ましていた。
「…み、なと…?」
「…にい、さん…」
さっきまであんなにピンと張った声を出していたのに
今はもうか細い声になってるよ?
かく言う俺の声も、聞き取れたもんじゃないけど。
「…良かった、良かったよ…」
俺の手を握った湊。
小刻みにガタガタと震えている。
目を伏せて、涙をぼろぼろと溢れさせている。
「…な、くなよ…みな、と…」
手を伸ばそうとするけど、身体が異常に重くて動かせなかった。点滴も多くうたれているし。
「…心配させんなよ…」
言葉とは裏腹に、湊の目からは涙が溢れていく。
それはとめどなく流れて、止まらない。
…お前は笑顔の方があってる。
「わら、え、よ…みなと…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
52 / 250