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Episode55
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「どうしようもない気持ちが、あるんじゃない?」
目の前の担当医は、そう言った。
確かに、ある。こいつが言った様な、死にたいけど死ねない、怖いって気持ちがある。
どうしようもない気持ち。
こいつは、死ぬ事を否定しないと言った。
病院内だから、死を肯定しないだけとも言った。
この医者は、俺に説教も同情もしなかった。
だからこそ、こいつの言う事が素直に染み込んだのかもしれない。
この気持ちは、本当にどうしようも出来ないのか?
どうすれば、死が恐くなくなる?
どうすれば…どうすれば…。
どうすれば、俺は開放されるの?
ご主人様の掌から、全ての拘束から。
湊に、どれだけ心配をかけたんだろう?
泣かせてしまった。
泣かせた俺が、湊に頼ってる。
ほっとしたんだ。湊に触れられて。
まだ何も考えていなかった子供の頃に、戻ったみたいだった。
…俺は、生きたいの?死にたいの?
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