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Episode65
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担当医がおかしすぎて、死ぬ気も失せた。
まぁ多分、それは今だけだろうけど。
「河合さーん。夕食のお時間ですよ〜。
…あれ、珠川先生いらっしゃいませんねぇ。休憩かな?」
は?
夕食持ってくる様に頼んだんじゃないの?
じゃああいつどこに行ってんだ?
「最近、食事の量減ってましたよね?ちゃんと好き嫌いしないで食べないといけませんよっ!」
子供に言い聞かせるみたいに喋る看護師。
精神科医の看護師は、皆こうなのだろうか。
正直、それで話されるとウンザリする。
「もう少しで珠川先生も戻って来る筈なので、ちゃんとお食事摂っておいて下さいね〜。」
優しい声色で話しているつもりか?
そんな声色で話されても不快なだけだ。
大人は皆、俺達みたいな奴を憐れんで同情するんだ。
「可哀想」「大丈夫か?」って。
それこそ、担当医が言っていた事だ。
「自分を少しでも優れる為に人を助ける」と。
俺達子供は、自分で逃げる術を知らない。
大人に綺麗事を刷り込まれて、それが正しい気がして、でもそれがただの綺麗事に過ぎないと気づいた時には、もう手遅れ。
いつも通り暗い気持ちで食べたご飯は、いつも通り冷たくて不味かった。
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