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Episode67
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「太陽が出てなくて良かったね。」
最近は晴天が多かったにも関わらず、今日は見事な曇り空。今にも雨が振りそうだ。そんな中、俺は担当医に連れられて、病院の敷地内を歩いていた。
肌を傷めてしまうからと、長袖長ズボンに帽子を被らされて正直暑い。
昨日までの天気が嘘のように、ジメジメしている。
「…どう?良い気分転換になる?」
なる訳あるか。お前が勝手に連れて来たんだろ。
「…太陽、出てなくて良かった…」
明らかに独り言だったであろう声は、声量の意味もなく俺の耳にも届いていた。
担当医は、気づいていないようだけど。
周りでは、車椅子の老人が看護師に車椅子を押して貰っていたり、小さい子供同士が遊んでいたり。
天気など関係ないとでも言う様に、楽しそうな表情をしている。
外出して何が楽しいものか。
普段より多くの人に触れ合って、何もない自分が惨めになるだけなのに。
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