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Episode69
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蒸し暑い…喉が渇いた…。
隣のこいつはうわの空で、役に立たないし…。
というか、早く帰りたいし。
汗をかいたのなんて、十数年ぶりだ。
ご主人様の元へいた時は常に部屋が適温に保たれていたから、暑さも寒さも感じた事がなかった。
蒸し暑いなんて感覚、覚えていたのか。
喉が渇いたなんて、知っていたのか。
『ユウ』
『お前は私から逃げられない。
私はね、お前の大事な弟君の人生も握っているんだよ。彼に手を出されたくなければ、大人しく私に従順になりなさい』
そういや今日も、湊が来るんだった。
時間は分からないけど、学校が終わったら来る筈。
いや、でも今日は休日だから、時間が読めない。
「…湊…」
口から出た言葉で、隣の担当医がハッとした様な動きをした。
「あっ、今日も湊君来るんだったね。
時間は二時だって。丁度今がお昼ぐらいだから、戻って昼食を食べようか。」
あ、戻った。
大人の顔に、戻った。
「暑いねー」と話しかけてくる担当医をいつも通り無視しながら、病室へ戻った。
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