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Episode86
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「快楽漬けで毎日が最高に感じ始めた頃。医者が来たんだ。精神科の、櫻井、って人で。ご主人様は、皆警察に行った。僕は精神科に入れられて、担当医はその人。毎日、その人を恨んだ。」
何故?
自分を快楽漬けにした奴から、離されたから?
その続きを聞こうと顔を上げた僕は、目の前の男を見た。
「…ちょっ…」
俺が珍しく感情に任せて声を出したのは、目の前の男が過呼吸を起こしていたから。
過呼吸の対処の仕方なんて、分からない。
必死にそれを探っている間にも、男はベッドに辛うじて腕をかけて身体を支えているだけになっていった。
考えているよりも…そう思い立ち、手元のナースコールを、押した。
数十秒後。
「どうしましたか?…え、珠川先生!?」
てっきり俺の容態が変わったのだと思い込んで来た看護師は、こいつが極限まで弱っている姿に、心底驚いた様だった。
それでも、流石は看護師。
直ぐに珠川に声をかけ、呼吸を指示し出した。
「吸って下さい」「吐いて下さい」「大丈夫ですよ」
そういう言葉が、多く飛び交っていた。
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