アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode89
-
「今日も湊君来るって。時間は一時ぐらいだって。」
担当医づてに伝えられた、湊の事。
こいつの事は、伝わっているのか?
まぁ、伝わっていようがいまいが、湊と会う事に支障なんてないけど。
*
時間通り、一時に病室へ湊が来た。
前回同様、湊は担当医を外へ出した。
ただ前回と違ったのは、担当医と湊がにこやかに笑みを作って互いに視線を合わせた事。
にこやかに、とは言っても、雰囲気が怖い。
それに挟まれている俺は、動悸が凄かった。
「では、僕はこれで。ご兄弟同士ごゆっくり。」
「お気遣いありがとうございます、珠川先生?」
担当医が廊下に出る迄続けられた微笑みと、刺が感じられる敬語。
この数回の間に、こいつらは何かあったのか…?
「さて、兄さん。担当医さんも消えた事だし、ゆっくり話そうよ。」
「あぁ。」
「調子はどう?」
「大丈夫だよ、湊。」
最近気づいた事。
湊は、俺が湊の名前を呼ぶ度、ほんのりではあるが嬉しそうな顔をする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
92 / 250