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Episode97 side時雨
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僕を呼びに来てくれた湊君は、病室のスケッチブックに興味を持っていた。
『随分変わったスケッチブックでしたね。』
そう言った湊君の表情は、心なしか愉しそうで。
ゾクッと、得体の知れない悪寒が走った。
知っているのかと、思った程に。
例えば、僕の家柄や僕の過去とか。
不気味さを我慢して、侑君の病室に着いた。
「湊君、あのスケッチブックに興味持ってたよ。
何か言ってた?」
何気ない素振りを装ってそう聞いてみれば、『変なスケッチブックって言っただけ』そのような旨の言葉がスケッチブックに書かれた。
それを聞いても、まだ安心と不安は半分ずつ。
人を不安に陥れるのが、上手いんじゃないかと思う。
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