アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode100
-
「そろそろ、このスケッチブックも新しくしないとね。」
夕食を取っていた時、隣で担当医はそう呟いた。
古い自覚が、あったのか。
古そうに見えるまで捨てないとか、随分と大事にするんだな。
「…このスケッチブック、妙でしょ?」
数枚しかないスケッチブックをパラパラと捲りながら、そう言っていた。
確かに、妙だと思った。
「…これね、僕が使っていたスケッチブックだったんだ。」
担当医が?
絵でも趣味だったのか?
「…前に過去を話したでしょ?
あの話から少し経って、僕は精神科に入れられた。
僕も、愛するご主人様と離されたから、絶対担当医と話さなかった。」
「愛するご主人様」。
今の俺と、同じ。
「その時に、渡されたのがこのスケッチブック。
ないページは、僕が使っていたページ。」
俺と同じで、このスケッチブックはこいつの伝達手段だったのか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
103 / 250