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Episode105
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「…なんで…こんな傷…」
カッターの様な鋭利なもので意図的に切った傷。
所謂リストカットの痕が、湊の腕には多く残っていた。
瘡蓋で塞がっているものもあれば、昨日にでもやったかのような生々しい傷まで。
それが、両腕に渡っていた。
腕だけでこんなにあるなら、他の部位にも…?
襟を捲ってみれば、そこにも傷。
これは、爪で引っ掻いた様なもの。
腕の傷を見ていると、目の前から突然腕が消えた。
「…にいさん、なにしてるの…!?」
顔を上げると、そこには起きた湊。
薄暗い中でも分かる程、顔面蒼白になっている。
目を見開き、動揺しきった表情をしていて。
とても、今の状況で傷なんか聞けなかった。
数秒目が合ったと思えば、湊は荷物を持って走って病室を出て行ってしまった。
それから、湊は病室に来なくなった。
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