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Episode136
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「…湊…湊…」
手を握って呼んでみても、返事なんかない。
分かっているのに、諦められない。
「…侑君、湊君の様子はどう?」
背後で扉の開く音が聞こえた。
振り向くとそこにいたのは、お盆を持った櫻井さん。
いい匂いがしてくるけど、殆ど食欲が湧かなかった。
「昨日も何も食べていないでしょ?
うどんだから、食べて頂戴。」
ふわふわとした卵が乗った、家庭的なうどん。
消化に良いのは分かっている。
でも、湊が起きないのに…。
「湊君が起きて、貴方が倒れたんじゃ元も子もないわ。看病や付き添いは、その人こそちゃんとした体調管理をしないといけないのよ。」
分かってます。
櫻井さんが間違っていない事なんて、分かってます。
でも、不安で仕方がない…
このまま目覚めなかったら、どうしよう…。
「毎日ちゃんと食事や睡眠、その他健康を維持する為の事をやるなら、湊君の経過を教えるわ。」
うどんの載ったお盆をテーブルに置くと、櫻井さんはそう言った。
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