アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode158
-
「…湊の記憶が、見えました。湊も、目の前にいて…その上を映像が通過していて…。」
俺が入院していた病院の脳専門の先生を目の前に、俺は夢の話をした。
慣れない人の前で話しをするのは緊張したけど、湊を助けるために繋がるかもしれないと思えば、何てことなかった。
「河合さんが見た映像は、櫻井先生が事前に聞いていた内容と同じだったんでしたね?」
「えぇ、そうです。」
「兄弟同士の完璧な記憶のリンク、というのは例があまりありません。元々、河合湊君や櫻井先生からその様な事は聞いていませんでしたか?」
「…櫻井さんから、大体は聞いていました。
親からどういう目で見られていて、どんな扱いを受けていたのか。」
「話を聞くに、河合さんが自分で記憶を作った可能性が大きいです。
大体の概要は聞いているとの事でしたから。
恐らく精神的なもの…弟さんに対しての罪悪感などから、少しでも痛みを分かろうとしたのでしょう。」
それが正しいなら、担当医の言っている事は否定される。
現状は、リンクなんかしていなかったって事か…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
181 / 250