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第1話
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ここは日本のどこかである。どこかは決して言えない。何故ならば、ここにいる人間は表で生きる事を許されていないからだ。
地下にあるとは言え、空気が良くないわけではなく置いてある家具が貧相なわけでもない。ライフラインも通っており、置いてある家具は豪華な物が多いようだ。
部屋の隅のデスクでパソコンと睨み合っている男が小さく呟いた。
「まったく、いい迷惑ですね。実に不愉快です。」
そこに奥の部屋から出てきた男が欠伸をしながら、この部屋に入ってきた。
「ふぁあ~。どうした、幸。そんな怖い顔すんなって。可愛いお顔が台無しだ。」
しかし、その男は返事をしない。
「今日の夜、一緒に寝たい…。もう何日我慢させられてると思ってんだ?」
そう言うとその男の頬にキスをした。
その男は目だけ男に相手の男に向けるとやっと口を開いた。
「優助、僕は知っていますよ。昨日、繁華街で女性と歩いていたのを。今日の夜はその方の住処にでも行ったら宜しいのでは?」
「ちちち違うんだ、幸!あ、あいつとはセックスなんかしていない!飯喰っただけだ!香水臭くて、一緒になんか寝れねえよ!」
「そんなこと、知りません。僕はなんとも思っていません。」
明らかに怒っている男の名は、越矢 幸(エツヤ コウ)。平均より小柄な男だ。
もう一人の男は、朝野 優助(アサノ ユウスケ)。幸相手になんとも情けない言い訳をしている。
表では生きていけない、人間。つまりは、裏の人間だ。表の人間は彼らをこう呼ぶ。
マフィア。
この2人は紛れもない、このアジトのマフィアの一員だ。
ただしこのマフィア、少々変わっている。
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