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手錠を外された葵の腕を引き立たせようとする宇月。
だが葵はガンとして立とうとはしなかった。
ただ無言で宇月に引っぱられるのに耐えていた。
「どうしたの?葵君?」
「……………」
「黙ってちゃわからないよ?」
「ぃ…く……なぃ…」
「ん?聞こえないよ?もっとはっきり話して」
「…………」
優しく催促する宇月。
だが葵はそれに答えようとはしなかった。
なにかタイミングを待っているようにも見える。
「さっ、行こう。外で車を待たせているんだ急がないと「…く……ぃ」?いまなんて…「行きたくないっ!!はなせっ!」
葵は今だとばかりに宇月の手を思いっきり振り払い勢い良く走りだした。
「おいっ!正孝君!葵君を逃すな!!」
ドアの近くにいた正孝は宇月の怒鳴り声で我に返り葵を捕まえようとする。
だが、正孝は何故か自分の体が思うように動かない。
何もすることが出来ず、ただ葵がドアの外へと出て行くのを見ていた。
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