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翌日
「うぅ…」
カーテンの隙間から差し込む光に目をこすり目覚める葵。
「もう、朝か…。」
ここの家にきてから地下にいた葵は昨日の事もあり、二回の空いていた部屋に移動していた。
宇月はもう葵は逃げないと考えたのだろう。
その考えは的中していて、葵はもうここから逃げようなんて考えていなかった。
むしろこのまま宇月といたいとまで思っていたのだ。
小さい頃から親を無くし、友達にも恵まれず、愛を知らなかった葵が始めてそれを見つけた。
それがここだったから。
だが正孝の事をさっぱり忘れたわけではない。
ちゃんと記憶されてる。
ただ今は宇月のほうが優っていた。
葵は宇月の思惑通りになっていたのだ。
かちゃ…
「おはよう。葵君。」
「あ、おはようございます。」
他愛のない挨拶。
ここから始まるループに葵は気づけないのだろうか。
自らで気づくことはないだろう。
人は案外自分の事を知らない。
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