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「朝ごはんを持ってきたんだよ。今日はフレンチトーストを作らせた。」
部屋の中心にある机にフレンチトーストをコトン…と静かにおく。
「美味しそうですね。ありがとうごさいます。」
葵は微笑み言う。
「このフレンチトーストはね葵君の為に作らせた特別なフレンチトーストなんだよ。だから残さず食べてね。」
宇月は少しにやけたように笑っていた。
それを少々不審に思った葵だったが、それ程重く不思議がることもなく、空腹にあおられ、すぐにそんな事を忘れて机に置かれたフレンチトーストに手を付ける。
不気味に葵を見つめる宇月。フレンチトーストの甘い香りに目をうっとりとさせ、ナイフで切ったそれを口に運び入れ味を楽しむ葵。
葵にとってそのちょっとした幸せが、宇月の異変に気づく事を遮断した。
「ご馳走様でした。凄く美味しかったです!宇月さんはもう朝食を済ませたんですか?」
「うん。さっき下で食べてきたよ。うちのコックは有能だからね。美味しくて当然だよ。満足してくれたかな?」
「はい!もちろんですよ。こんなに美味しいの食べさせていただいて。俺、嬉しいです」
「それはよかった。」
他愛もない会話をする。
葵はこんな風にずっとこの生活が続けばいいとそう思っていた。
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