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「…んん、」
薫は瞼に当たる黄色い光が気になって
ゆっくりと目を覚ました
「…まぶしぃ…」
カーテンの隙間から入る太陽の光
普通だったらそこまで気にしないが
久し振りの太陽
その暖かさに涙が溢れる
「薫、起きたのか?」
隣の部屋、おそらくリビングから
武藤の声が聞こえた
薫が返事をする前に
寝室へと武藤が入ってきた
ガシッ
「!?
せ、先輩!?」
武藤は薫に近づくなり
力強い腕で薫を抱き締めた
「薫、薫…。
ごめんな…。」
薫は驚いたが
自分の肩に感じた冷たさ
(あ…先輩、心配してくれてたんだ…)
それが嬉しくて
薫も一緒になって泣いた
「先輩?
お礼、言ってませんでしたね
僕の所に来てくれてありがとうございます
凄く嬉しかったです
先輩が謝ることなんてありませんよ
ですから僕に先輩の顔、
しっかり見せてください」
武藤は目を擦り
薫の目をまっすぐに見た
武藤の目は赤くなっていて
どれほど心配していたのか
予想ができた
「先輩、本当にありがとうございます
そしてすいませんでした」
「なんで薫が謝るんだよ!
元はといえば俺が悪いんだ
お前に関わんなとか言ったから…
本当にごめんな…」
「いや!先輩は悪くないですって!
ぼくが謝るべきなんですっ!」
「だからお前は悪くないんだよ!
俺が悪いんだ!」
二人は呼吸を整えるように
息を大きく吸った
そして落ち着くと
目を合わせて笑った
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