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絆
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車に乗ると
「なんで1人で悩んでる?」
それは今までにないくらい冷めた聖だった。
「悩むに決まってる。」
「なんで言わない?」
「言ったことで何が変わるん?」
聖はしばらく黙って
話し始めた。
「優 なんでも1人で抱えるの辞めな?
ずっと会った時から思ってた。
優は何処か閉じ込めてるって。
俺いるじゃん?俺に何でもいいな?」
「言ったら辞める?辞めないでしょ?ほんとは行って欲しいなんて思ってもない!それに離れて遠距離なんて自信ないし淋しいし辛いし苦しいし
それは聖だって同じじゃん。
けど 頑張って実力試したいって思うなら行くべきじゃん!応援するべきじゃん!
だから いいっていったんだよ!」
「淋しいなら淋しいって言えよ
辛いなら辛いっていいな?
変な我慢するな。 わかったか?」
あたしは泣きながら頷いた。
「泣き虫」
聖はあたしの髪をクシャクシャってしながらそう言った。
「行くの辞めたから スカウト。」
唖然としてるあたしに
「へーんな顔!笑 いったじゃん!側にいるって!」
「あたしがやだって言ったから?」
「そうじゃないよ。自分で決めた。俺が今やりたい事はそうじゃないし確かにスカウトは嬉しかった。けど俺大事な物があるからさ。」
心から喜んでいいのかわからなかったけれど
でも
心の何処かではきっと
一緒に居られるって嬉しかったに違いない。
あたしには
今 聖が側にいて欲しいし
ワガママかもしれない。
でも
好きな人の側から離れたくないと思うのは誰だって同じなんじゃないかな。
笑うこと
素直になること
我慢しない事。
あたしは少しずつ変われる気がした。
そして
聖との絆も
もっと深くなった気がした。
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