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挨拶 土曜 ③
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「聖君の話を聞いて言いたいことは分かった。
ただ 1番の心配は生活の事。
聖君は車関係の仕事だったよね。
収入はどのくらいあるんだ?」
聖はきちんと詳しく話した。
そして
どのくらい貯金があるのか
結婚しようとお金を毎月貯めていること。
いろんな話をお父さんに話した。
「わかった。
優の選んで好きになった人だから
反対はしない。
ただお互い好きになって決めたことなんだから
これから先、色々あっても乗り越えていかなきゃダメだぞ?」
「はい!」
お父さんがまた話し始めた。
「優は俺が言うのも親バカだと思われるかもしれないけど料理も出来るし 優しい子だ。
お姉ちゃんより頭が悪くたって
優しさがあればいいって思ってたけど
自慢の娘だと思ってる。
言えない事は手紙に書いて
そっと枕元に置いて聖君と付き合うと決めた時もそうだった。
俺が調子が悪ければ何も言わなくても水枕やおかゆも作ってくれたり温かいお茶を持ってきてくれたり
気がつく優しい子なんだよ。
男っぽいところもあって
俺の仕事の後継になりたいと言った時はそりゃ嬉しかった。
でも女は結婚するから辞めろって言った。
でもお父さん凄く嬉しかった。
腕は認める。
どんな奴より筋がいい。
もったいないくらいだょ。
今でも諦めてないと思う。優は。
でも 優 いいか?
お父さん お前の気持ちだけでじゅうぶんだょ
聖君が優の事を真剣に考えてるのはお父さんわかったからこれからの事2人できちんとしなさい。
あとはきちんと聖君の両親に挨拶して来なさい。
お父さんは優を嫁に出しても恥ずかしくはない!
聖君 優を頼んだからな。」
涙と鼻水ともぉ最悪なあたしだけど
お父さんのこの20年間の気持ちを聞いて
涙がとまらなかった。
後継になりたかったのは今でも変わらないのはわかってくれてたんだ。
職人の道を行きたかったあたし。
でも 女は辞めろ。って言われた時
凄く女で生まれた事を悔やんだ。
だって男で産まれたなら出来たんだもん。
お父さんの背中を見て育ったあたしは小さい頃からの夢だった。
どんなに仕事の鬼であろうと
現場で働いて覚えることが楽しかった。
夏休み、土曜日のバイトが楽しかった。
お金なんていらなかった。
ただ お父さんの仕事を見て覚えて職人になりたかった。
今でもやりたいのは変わらない。
それでもお父さんが
わかっててくれたことがほんとに嬉しかった。
「貰ったものみんなで頂こうか!」
泣いてるあたしにお父さんが言った。
聖はあたしを見て
ニコって笑った。
深いなって。
親って
見てないようで見てるんだなっておもった。
反抗して
どーしよーもなかったのに
ずっと見ててくれたんだなって。
親って
凄いなって。本当に。
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