アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
過去⑵
-
それから俺とアキラは付き合うことになった。
何度か肌も重ねた。
俺は幸せだった。
しかし突然、その幸せは崩れた。
学校の帰り道、
なぜか知らない人から声をかけられるようになった。
最初はなんだかよくわからなかったけど、
ある日、こんなことを言われた。
「君の動画いつも見てるよ。」
動画?
俺は家に帰って調べてみた。
ある無料ゲイビデオサイトに
見覚えのあるアキラの部屋で、
俺と男がセックスしている映像を
固定カメラで録画してある動画があったのだ。
アキラは顔が見えなかったけど
俺は顔がみえていて、俺であることがわかるような動画だった。
最初、俺は信じられなかった。
アキラはこんなことしない。
しないはずだ…。
俺はアキラに聞いた。
「ああ、バレちゃった?
案外早かったな。」
アキラは悪びれもなく言った。
「俺シュンのこと最初から全然好きじゃなかった。付き合ってるつもりもなかったし。
ごめんね」
後でわかったけど、
アキラは動画を投稿し、
その広告料でお金を儲けていたようだ。
それから俺は外に出ることができなくなった。
誰に会っても、
動画のことがばれてしまう気がした。
警察に相談するのも、恥ずかしくて嫌だった。
母親は、そんな俺になにも聞かず、
俺が話すまで待ってくれた。
しばらく経って、母親に全てを話すと
一緒に泣いてくれた。
自分の姿を他人に見られるのが嫌だということ。
今のままでは外に出ることができないこと。
ここにはアキラの思い出がありすぎること。
母親は引っ越そうと言ってくれた。
もう一度新しい土地で、
新しい自分でやり直そうと言ってくれた。
本当は整形したいくらいだったけど
母親にそこまで負担はかけられなかった。
中学3年にあがる頃、
俺たちは少し離れたところに引っ越した。
俺は今までとは正反対の自分になろうと決心した。
もう昔には戻らない。
そう決めた。
髪型を変えて、
ピアスを開けたことによって
昔の自分とは別人になれた気がして、
俺は外に出られるようになった。
俺の外見を怖がって人は俺を避けた。
友達はいなかったけど、
逆にありがたかった。
そして俺は高校に合格し
マコトにであったんだ。
男が好きであること
マコトのことが好きであることは
絶対に隠し通さなきゃいけない。
だけど、誰にも言えないけれど
俺は心のどこかで、
いつか、だれかは
こんな汚い俺のことを
本当に認めて、受け入れてくれるんじゃないかと
淡い期待を持っていたりもした。
こんなんじゃまた、同じことを繰り返すかもしれないのに…。
だけど俺は、期待することをやめられないんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 12