アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1-5
-
いつもだったら一人で声を押し殺して泣き、泣き疲れたら眠る雛だったが、その日はどういう訳かこれ以上大介の部屋にいることが出来なかった。
記念日という日がより雛に寂しさを感じさせたのか、2年間という月日が雛の心を蝕んできているのかは分からないが、雛がいつも以上に苦しんでいたことは確かだ。
何も持たずにふらふらとした足取りでやって来たのは大介が眠る病院。
「...だいすけさん」
駐車場から大介のいる病室を見上げる。
本当なら、今日の記念日も2人で祝ってた筈なのに...
どうして?
大介さん、僕泣いてるよ...
「泣くな」って、言ってよ...
大介さん
大介さん
大介さん
だいすけさん────
「...っ、くるしいよ...っ」
雛はぎゅっと胸元の服を握ってしゃがみこんだ。
こんなに...苦しいなら、辛いなら...
出会わなきゃよかったのに...っ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 85