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2ー03
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とは言え…一体どんな顔で透也さんに会えば良いのやら。
どうするかなんて思い付かないまま、俺は緊張の面持ちで部室の扉を開いた。
「あ…小神くん、お早う御座います」
「圭ちゃん、おはよ!」
「はよ、小神」
「おはようございまーす!」
既に居た部員に挨拶をされ、何度か返しながら自分のロッカーに向かうと、既に透也さんの姿は無かった。
どうやら着替え終えて部室を出てるみたいだ。
良かった…これなら少しは心に余裕が、なんて安堵した瞬間。
「…フゥ」
「うひゃあっ?!!」
突然耳に息を吹きかけられ、変な声を上げてしまった。
驚いて振り返ると、透也さんの見慣れたすまし笑顔が視界に入る。
「お早う」
「お、お早う御座いま…じゃない!!いきなり何をっ」
「別に?…ただの挨拶だ」
「挨拶って…ちょ、わ!」
頭をクシャクシャに撫でられ慌てて手を振り払うと、透也さんは笑いを堪えるように離れていった。
一体何がしたいんだあの人は…!
けどこれは…ほんの始まりに過ぎなかった。
それからというモノ、透也さんは予想だにしないタイミングで抱き付いて来たり、頬にキスをして来たりと俺を驚かせてくるようになった。
明日から覚悟しろってこういう事だったのか?
こんな事毎日されたら…俺の心臓が保たないじゃないか!
どうしたモンかと本気で悩んでいると、同学年の部員が笑いながら話し掛けてきた。
「よくあの速水先輩とじゃれ合う位仲良くなれたねー」
「…そう見える?」
「勿論!羨ましい限りだ」
「前は圭の方が速水先輩にくっ付いてたのに、今じゃすっかり逆だね」
え……逆?
言われてみればそうだ。
確かに元々俺が透也さんに絡みまくってたんだ…どうしても仲良くなりたくて。
なのにいざ向こうから絡まれるようになると、タジタジになってしまってる。
いや、でもそれは透也さんにキスされたせいであって、それが無ければこんな風には…
「圭」
「うおぁでたーっ?!」
「人を幽霊みたいに言うな」
神出鬼没という言葉が此処まで似合う人は早々居ない。
いつの間にか現れた透也さんからすかさず距離を取ると、呆れたように腕を胸元で組まれた。
「来週の土曜日は空けておけ」
「ど、土曜日?」
「これに行く」
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