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4ー04
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「…ずっと、好きだったんだ」
切なげな孝の瞳は、意図もたやすくその意味を理解させた。
向けられたのは家族の好きとは違う感情。
予想だにしなかった言葉に頭が混乱してしまい、心臓が騒ぐ。
「本当は…言うつもりなんて端から無かった」
「…!」
「…兄弟で居れるだけで満足してた。生まれた瞬間から一緒に居る俺達には、絶対に干渉されない絆がある。それだけで特別な気になって…自惚れてた。けど、泣いてるお前を見て…言わないと、絶対後悔するって…思ったんだ」
「………」
「俺じゃ…ダメか?」
そんな素振り、一度も見たことなかった。
けど触れてくる手付きは、俺の知らないお前で…何でも知ってるつもりだったのに、何も知らないと気付かされる。
「…圭、何とか言えよ」
静かに告げた孝は、ゆっくりと顔を近付け…唇に視線を向ける。
もう少しで触れてしまいそうな距離、息遣い。
俺は……俺、は。
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