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風紀委員の朝は早い。
六時には起床し、七時に朝集会をし、玄関前で生徒の身だしなみチェック。男子校で進学校なため、受験ストレスから開放され「高校デビュー」しようと企む者も少なくはない。ましてや全寮制だから親の目がないため、比較的しやすい環境だ。
そのため風紀は「まるで母親のように」を合言葉に日々生徒を見守る「オカン」的存在なのだ。
生徒からしてみとも、特別怖い存在ではない風紀を親しみを持っていてクラスで1人選出される学級会議ではクラスのまとめ役やお母さん的存在の人が候補にされるため、みなのほほんとして癒し系。
そんな風紀の手をわずらわせようと考える馬鹿がいる学校ではないから、風紀の仕事は比較的楽だ、と言われていた。
そう、言われていたのだ、去年までは。
「っ海辺がいたぞ!!!」
「どこの教室だ?音楽室?図書室?理科準備室?」
「灯台元暗し、玄関横男子トイレだ」
「へ?俺さっきそこで便所した・・・・」
風紀委員と書かれた腕章を付けた男子二人が言い争う
トイレしてたと言い切った男を青ざめた表情で見つめる
「じゃぁお前・・・プレイに巻き込まれてたってことじゃん」
「えっ」
「発見されたの、今さっきだし、まだ途中だったし」
「・・・」
「音、しなかったか?」
「・・・隣、水流れてるの随分長いなーって思ってた」
「・・・・」
「・・・・」
海辺のバカーーーーーー!!!!
と風紀二人が絶叫する声が朝の玄関にこだまする。
他の風紀はそれを見て、特別気にした様子なく笑顔でおはようございますと生徒たちにあいさつする。生徒たちも一切気にせず教室へと入っていく。
これがこの学園の日常。
海辺港が入学してきてからの日常なのだ。
*
港は風紀委員室に連れて行かれぶーたれてた。
「ねぇ、僕まだイってないんだけど」
ものすごく不機嫌。いつもニコニコ猫かぶりの顔が歪み本性が滲み出ている。
そんな港を見慣れているようで、風紀委員の風間は無視して書類を見たまま顔を上げずに答える
「知るか。んなもん自分でオナってりゃいいだろ」
「僕オナニー苦手なんだもん~あ~今日の童貞上玉だったのにぃ~」
「なんなら俺が相手になってやろうか?」
いつの間にか終わったようで、書類から顔を上げてニヤニヤ笑う
港は手元にあったクッションを風間の顔目掛けて投げつけた。
「魔法使いになれない人には興味ありませ~ん」
「めずらしいよなお前、童貞が好きなんて」
テクニックとか考えると、童貞じゃ物足りなくない?とのんびり言いながらひょいっとクッションをかわす
いかにも入れる側しか経験してないやつの意見だ、と港は思う。
風間はワイルドなルックスの持ち主でこの学校じゃ希少価値のある文句なしのイケメンだ。中途半端な偏差値の高い学校ならば、これくらいのイケメンわんさかいてもおかしくはないが、この学校は徹底した学力主義、推薦も無ければAОもない。だから集まるのは「普通」もしくは「普通以下」ばかりだ。
ワイルドイケメンの風間は若干浮いてるが、持ち前のカリスマ力とコミュ力で生徒から信頼されるオカンの総本山「風紀委員長」になったのは純粋にすごいと、港はいつも思う
でも自分の食事はやめるつもりはないから声に出して言った事は一度も無い。
「ビッチなお前だけで俺の仕事溜まるのに・・・もう1人いるもんな~・・・」
「アイツと僕とじゃ種類が違うでしょ」
「どっちも方向性は一緒だろ!!!」
「あんなやつと一緒しないでよ!!!」
ギャーギャーと言い合ってると遠慮がちにドアノックされ、涙目の風紀委員が入ってきた
「あのっ・・・俺っ・・・捕まえてきましたぁ」
涙目の彼が引きずってきた人物を見て風間は顔をゆがませる
「あ~・・・大丈夫だった?」
「脱がされて触られたんですけどっ・・・委員長がくれたスタンガン押し付けて気絶してる隙に手錠でしばって引きずってきましたぁっ・・・・ぐすっ」
「・・・仕事がまた溜まる・・・お疲れさま、教室戻っていいよ」
眉間に皺を寄せながら痛む頭を和らげるようにぐりぐりとこめかみをマッサージする
引きずられてきたやつの正体が分かっている港は、不機嫌そうにソファーに寝そべる
失礼しました、と出て行くのと入れ替わりにぽいっと部屋に投げ込まれた人
港の眉間に皺がよる。投げ込まれた人は、不愉快そうに顔を歪ませて風間を睨んだ
「お前スタンガンなんてぶっそうなもん持たせんなよ!!せっかくヤれると思ったのにふざけんな!!!」
「じゃあ朝っぱらから盛るな馬鹿猿!!・・・コラッそっぽ向くな港!お前もだからな!」
ガチャガチャとかけられた手錠を鳴らして外してくれアピールをする
それを見て港は見下したように笑う
「港テメーはめやがったな!!あそこに風紀は来ねぇって言ってたじゃねーか!」
「なんの話ぃ~?僕は【そういえば巡回してなかったかも】としか言ってないよ~」
「テメ~俺があげたゴム返せ!!!」
「使いました~童貞くんの濃厚ミルクたっぷたっぷです~それでよければ返すけどぉ?」
「死ねビッチ」
「死ねヤリチン」
言い争いがヒートアップする二人をため息まじりに見守る風間。
これが始まったらしばらくは収まらないことを知っているので今のうちに日誌を書いておく
この学校には二人の怪獣がいる
海辺港と大和大河。
この二人の起こす珍事件は朝から始まる
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