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その執事、恋慕
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最近、坊っちゃんのご様子が少しおかしい気がします。
どのようにおかしいかって・・・?
なんとも説明しづらいのですが、お仕事中もときどきぼーっとなさって・・・その・・・執務をこなす私をじっと見ていらっしゃるのです。
「坊っちゃん、どうかなさいましたか?私の顔に何かついてますか?」
坊っちゃんはハッと我にかえったご様子でした。
「い、いや。なんでもない・・・」
明らかに焦ったお顔をなさって、目を反らすのです。
(なんでもないというお顔をされていないのですが・・・)
主がそうおっしゃるのでそれ以上は何も言えず・・・
そんな日々がもう1週間近く続いているのです。
さすがに心配になってまいりました。少しちゃんとお話しなければなりませんね。
その日の夜。
坊っちゃんを夜着に着替えさせたあと、
「坊っちゃん、お休みになられる前に少し・・・お時間いただけますか?」
「ああ、かまわない。どうした?」
「少々言いづらいのですが・・・坊っちゃん最近、何か悩んでおられますか?」
「な、なんだ突然。悩んでなんかないぞ。」
パッと目を反らす坊っちゃん。
(嗚呼・・・嘘吐いてますね。)
坊っちゃんは嘘を吐くのが苦手なようで、おやつをつまみ食いしたときも、お勉強をサボったときも私の目が見れませんでした。
「ですが・・・最近よく私の方を見ていらっしゃいますよね?私が何かいたしましたか?」
「・・・っ!!ち、ちがう!ていうかお前なんか見てない!!」
(・・・坊っちゃん、嘘が下手すぎます)
「見てますよ。無意識ですか?ぼーっとしていて私に叱られることが増えたでしょう?」
「・・・あれは・・・っ」
「あれは・・・なんです?」
「自分でもよくわからないんだ・・・悩んでるっていうか、気がつくとお前を目で追っていて、お前のことを考えてるんだ。」
「私のことを、ですか・・・?」
「それで仕事にも勉強にもイマイチ身が入らないというか・・・」
(・・・今の話を聞く限り、坊っちゃんがおかしい理由が1つしか思い浮かばないのですが。)
「・・・私、坊っちゃんがおかしい理由がわかったかもしれません。」
「本当か!?ぼくはどうなっちゃったんだ?病気なのかっ?」
「坊っちゃん、無礼をお許しください。」
ギュッ
セバスチャンがシエルを優しく抱き締めるとシエルはビクッとした。
「!?セバスチャン、なんのつもりだっ!」
「坊っちゃん、私に抱きしめられてどんな気分ですか?」
「・・・どんなって・・・なんかドキドキして苦しい。」
「左様ですか。じゃあこれは・・・?」
チュッ
「!?ふっ・・ん・・・///」
セバスチャンが突然シエルに口づけたので抵抗する間もなかった。
「な、何するんだ!///」
「申し訳ありません。お嫌でしたか?」
シエルにもキスが愛を紡ぐ行為だという知識はあった。それを突然セバスチャンにされたことに驚いた。でも・・・それより驚いたのは、
(嫌じゃ・・・なかった・・・?)
でも、シエルにはそれが何を意味するのかわからなかった。
(しょうがないですね・・・)
黙ったまま何も言えないシエルに、セバスチャンが助け船を出した。
「坊っちゃん、キスもハグも嫌じゃなかったんじゃありませんか?」
・・・コクリ。
シエルは困惑した顔でうなずいた。
「坊っちゃん、私に恋をしてくださっているのではないですか?」
「っ!?ぼくがお前に?あり得ないだろう・・・男同士だぞ?」
「本当にそうでしょうか?男とか女とか関係なく、“私”を好きになられたのではないですか?」
「・・・そんなことがあるのか?」
「ええ、もうずっと、私は坊っちゃんを愛しております。」
「セバスチャンがぼくを・・・?そんなの全然知らなかったぞ?」
「当然です。執事たるもの、主人に不快な思いはさせられませんからね。今日まで隠し通してまいりました。」
「・・・じゃあ、お前もこんなふうにつらかったのか?」
「まあ、そうですね。坊っちゃんのお世話をするときは、私情を挟まないようにと気をつけてはいましたね。」
「そうか・・・これが好きってことなのか・・・///」
「坊っちゃん?」
「ぼくがセバスチャンを好きだと認めてしまったら・・・ぼくたちはどうなるんだ?」
「両想いなんですから、恋人同士になるかとvV」
「恋人同士になったらどうなるんだ?何か今までと変わるのか?」
シエルが怯えた顔をして言うので、セバスチャンは再び、シエルを抱きしめた。
「今までとは変わるでしょうね・・・何をするかは追々教えて差し上げます。でも怖がらなくていいですよ。何をするのも2人一緒ですから。・・・好きです、坊っちゃんv」
シエルは安心した様子でセバスチャンの背に腕をまわして、
「・・・僕もだ、セバスチャン///」
2人はどちらからともなく、再び口付けた。
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