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その執事、妄想
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───────
坊っちゃんを夜着に着替えさせて、ベッドへ・・・
そうして今日も坊っちゃんのお世話が終わる・・・はずだった。
「おやすみなさいませ。」
「・・・。」
「坊っちゃん・・・?」
いつもなら「ああ」とか「うん」とか、機嫌が良いときは「おやすみ」とか何かしらちゃんと返事が返ってくるはずなのに・・・。
(どうなさったのでしょう?)
無反応なのは素直に感情を言葉に表せない主人の、精一杯の訴えなのだ。
執事たるものどんな小さな主人の変化も見逃してはならない。
(ここはひとつ、様子を見ましょうか。)
「坊っちゃん・・・」
チュッ
「・・・んっ・・・」
シエルは目を細めてキスを受け入れている。
(クスッ、おやすみのキスをご所望でしたか)
軽いキスの後、シエルの頭を撫でて今度こそ部屋を立ち去ろうとする。
「では、おやすみな「セバスチャン。」
「はい・・・?」
「・・・今日は肌寒いな・・///」
「・・・嗚呼、私としたことが気付きませんで申し訳ありませんでした。すぐにもう1枚毛布をお持ちいたしますね。」
「・・・毛布はいらない。」
「・・・では湯タンポなどはいかがですか?」
「湯タンポもいらない・・・。」
(今夜は随分聞き分けがないですね・・・)
「ですが・・・お寒いのでしょう?なにかご用意しなければ、お風邪を召されますよ?」
「・・・・・。」
「坊っちゃん?」
「・・・なんでお前は、言わなきゃわからないんだ・・・///」
「・・・と仰いますと?」
「“お前が”湯タンポになればいいだろう・・・っ///」
(私が湯タンポって・・・まったく、相変わらず素直じゃないですね。)
「坊っちゃん・・・っ、こういう時は素直に寂しいから一緒に寝てくれと仰ってください。」
セバスチャンが肩を震わせながら言うので、
「~~っ//寂しいなんて言ってないだろう!もういい、1人で寝るっ」
とシエルは拗ねてしまった。
「坊っちゃん、坊っちゃん。申し訳ありませんでした。私、坊っちゃんと添い寝したいです。よろしいですか?」
シエルの性格を熟知しているセバスチャンは、
“あくまでセバスチャンが一緒に寝たがってるから仕方なく一緒に寝てやるんだ”
という言い訳──逃げ道を作ってあげた。
「・・・しょうがないな、入れ。//」
と言いつつも、心なしか嬉しそうにいそいそとセバスチャン分のベッドのスペースを空けるシエルがおかしくて、必死に笑いを堪えながらも可愛くて仕方なかった。
「では、失礼しま「セバスチャン!」
───────
「いつまでボーッとしてるんだ!ディナーの準備はまだなのかっ?」
ハッ!
「も、申し訳ありませんっ、仕事中にボーッとするなど、執事しっ「かくですね。すぐに準備いたします・・・だろう?最近そればっかりだな。・・・また悩み事か?」
「悩み事ではないです。ご安心ください。坊っちゃんとの幸せなシチュエーションを妄想しているだけですからv」
「お前・・・変態だな・・・。」
「なんとでも仰ってください。妄想の中の坊っちゃんもとっても可愛いですからvV」
「・・・本物より妄想がいいのかっ?」
シエルがイライラしだした。
(妄想の自分に嫉妬してるんですかね?しょうがない方ですね。)
「本物のほうがいいに決まってるじゃないですかv」
ガバッ
「・・・当然だ//」
「ところで坊っちゃん、今夜は添い寝してもよろしいですか?」
「イヤだ。暑い。ウザい。」
「坊っちゃあああん(泣)」
やっぱり妄想も恋しいセバスチャンなのでした。
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