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その執事、看病
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ガチャ
「失礼いたします。」
丁寧にお辞儀をして、シエルの書斎に入ってきたセバスチャン。
「そろそろお疲れでしょう?ティータイムにいたしませんか?今日はアプリコットの「セバスチャン。」
「はい?」
「・・・今日はスイーツはいらない。」
「え・・・っ!?どうされたんです?3度の食事よりおやつが好きな坊っちゃんが・・・あり得ません、そんなこと!!熱でもおありなんですか?」
「人をおやつ命みたいに言うな!・・・でも、そう言われてみればなんか身体がだるいような・・・?」
(そういえば、いつもより少しお顔が赤いですかね?)
「坊っちゃん、ちょっと失礼しますよ。」
コツン・・・
「セ、セバスチャンっ!?!?」
いきなりセバスチャンが自分のおでこをシエルのおでこにくっつけたので、シエルは心の準備ができていなかった。
「やはり少し熱いですかね・・・。」
(かっ、顔が近いっっ!///)
「・・・嗚呼、お顔が真っ赤になりましたよ?お熱上がってきちゃいましたかね?」
そう言ってクスッと意地悪く笑うセバスチャンにシエルは、
「お前のせいだろっ////」
と反論したが、
「おや、私のせいですか?なぜでしょう?」
と惚けられてしまい、それ以上何も言えなくなってしまった。
(絶対確信犯のくせに・・・白々しい。)
「ともかく、本日のお仕事はここまでにして、今日はお休みになってください。」
「・・・ああ。」
うなずき、シエルが椅子から立ち上がると
「では、私がベッドルームまで運んで差し上げましょうv」
「いらんっ!自分で歩けるっ///」
ひょいっ
軽々と持ち上げられてしまった。
「うわっ!やめろっ降ろせ!セバスチャン!///」
「暴れないで。病人はおとなしく甘やかされなさい。」
「だからって!お姫さま抱っこはないだろう!?他の使用人に見られたら・・・っ////」
「だれも気にしませんよ。」
「でも・・・///」
「シエル。」
「っ!?///」
「私はあなたのなんですか?恋人でしょう?心配ぐらいさせてください、シエル。」
「~~~~っ////」
(・・・ズルいぞ、普段名前でなんか呼ばないくせに///)
シエルは耳まで真っ赤になってそっぽを向いてしまった。
(こんなに可愛い坊っちゃんが見れるなら、たまには名前で呼ぶのも新鮮でいいですねv)
「さ、着替えますよ。」
「ん・・・。」
だんだん熱が上がってきたのか、シエルはベッドに横になると意識が朦朧としてきた。
(すごい汗ですね・・・。)
「坊っちゃん、お水とタオルを持ってまいりますね。」
そう声をかけて行こうとすると、シエルが弱々しい力で手首をつかんできた。
「・・・・な・・で・・・。」
「なんですか?」
もう1度屈んでシエルの口元に耳を近づけると、かすかに声が聞こえてきた。
「・・・行・・かな・・い・・・で・・・っ」
「すぐに戻ってきますよ?」
「いや・・・だ・・セバ・・・チャ・・ン」
シエルがセバスチャンの首に両腕を回して抱きついてきたので、動けなくなってしまった。
「今日はずいぶん甘えん坊さんですね。仕方ありません、メイリンにお願いしましょうか。」
メイリンを呼びつけて濡れタオル、水、リンゴ、ナイフを用意させると、タオルでシエルの汗を拭いとった。
冷たくて気持ちがよかったのかスースーと寝息をたてて眠りだした。
(さて、今のうちに・・・。)
セバスチャンはそーっとシエルの横を離れると、新しい夜着を用意し、リンゴをむき始めた。
すると、
「・・・グスッ・・・セバ・・スチャ・・・どこ?セ・・バスチャ・・・ッ」
たいして離れた時間は長くないのに、眠りが浅かったのかシエルが起きてしまった。
「はいはい、ちゃんとここにいますよ・・・って・・・坊っちゃん、泣いてるんですか?」
「・・・ック、いな・・く・・・ならな・・・で・・・っ」
「あなたを置いていなくなったりしませんよ。だからほら・・・安心なさい。」
シエルのベッドに入り、抱きしめながら背中をポンポンしていると、再び規則正しい寝息が聞こえてきた。
(・・・坊っちゃん、かわいすぎます・・・っ)
眠っているシエルにチュッと軽くキスをする。
(風邪は人にうつすと治ると言いますからね・・・。)
もちろん、悪魔だから風邪などひかないのでうつることもないが、苦しそうに荒い呼吸をするシエルを見ていると、できることなら代わってあげたいと思う。
(リンゴ・・・食べやすいようにすりおろしたかったのですが・・・これではとても無理ですね。)
けっきょく、セバスチャンは次の日の朝までシエルのベッドで過ごすことになった。
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