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④
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「おい、火神。」
騒音が鳴る度に緑間が火神の手を握りしめる力が強くなる。
こんなに驚くならこの映画にしなかったら良かったなと内心思った時、ふいにすぐ近くから馴染みの声が耳に入る。
ぱっと声のする方向に視線を寄せれば視界には、少し怒っているかのように見える青峰が隣で仁王立ちしていた。
うわ、このタイミングでかよ。
状況が状況なうえ、緑間には手を握っていても良いと口にしたものだから、今更その手を振りほどくことも出来ず、青峰に何を口にしようかと内心考えこんでいればあろうことか、緑間の手を俺から振りほどいた。
「オラ、帰るぞバ火神。」
「は?帰るって、まだ映画途中で‥」
「緑間、後ろにテツと黄瀬がいるから、そっちと合流しろ。」
そんな勝手に現れた横暴な青峰に緑間も驚いていた。
そんな中、慌ててこっちに来た黄瀬が緑間に軽く謝罪して、緑間を後ろに席に連れていった。
なんだかヤバいことになりそうだな、といつの間にか掴まれていた腕を引っ張られながら映画館を出ることになった。
それから一言も、会話することもなく行き着いた先は青峰の自宅だった。
付き合い始めてから青峰の自宅に来たのは始めてだった。
家の人に挨拶しなくても良いのかと口にするものの青峰は全く耳を貸さない。
玄関に上がってすぐの階段に昇り一番奥の部屋が青峰の自室だった。
荒々しく扉が開かれ、また一層強く腕を引っ張られたかと思うとダブルベッドでもあろうその場所に放り投げられた。
身長も体型も殆ど変わらないのに相変わらず力が強い。
ベッドに放り投げられ今は仰向けの状態になっている。
その上から容赦なく、のしっと青峰の体重がかかる。
そのまま両腕を押さえられ、何をされるのかと思ったと同時に首筋にビリっと痛みが走った。
どうやら青峰がある程度の強さで噛み付いたみたいで、歯が離れた後もヒリヒリと痛みが残っている。
「まさか、緑間とこういう関係もってるとか言わねーよな?」
「は?何言ってんだよ、そんな訳‥」
「そりゃあ、あんな場面見せつけられたら誰だってそう思うけどな。」
青峰が言っていることに間違いはない。
これがもし逆の立場だったら、青峰が誰かとあんな場所で密着していたら疑いたくもなる。
だから余計言い返せなく押し黙ってしまった。
でも思い返して見れば、最初は青峰の気持ちを知る為に緑間と映画を見に行った訳で、もしかしたらこれは青峰が緑間に嫉妬しているのかもしれないと思い浮かんだ。
だからと言ってどう誤解を解けば良いか分からない。
此処で逆に、気持ちが知りたかったからわざとあんなことをしたと言っても逆効果にしかならないだろうと思う火神。
そんな何も話さない火神に余計苛ついたのか、今度は火神のタンクトップからはみ出ている鎖骨に噛み付いた。
「‥痛‥っ‥‥あお、みね、‥いた‥」
「んなもん、知るかよ。」
どこか殺気立てている青峰の雰囲気に火神は余計に何も言えなくなってしまった。
火神が何も言わないのが余計に怒りがふつふつ沸き起こる青峰は、火神のズボンをトランクスごと引きずり下ろした。
「な、‥やめ、ろ!青峰!」
「そういうことはハッキリ言えんだよなぁ、現金な奴だな、お前。」
下半身全てが露になり羞恥が込みあがる火神。
どうにかして、この状況から逃げ出したいと両腕に力をいれるもののがっしり掴まれてビクともしない。
微かでも抵抗しようとしている火神に、対してまた青峰は苛立ちを覚える。
「緑間相手ならこんなことも許してたりするんだろうなぁ、ああいう仲だったら。」
「だから!違うって言ってんだろ、‥‥が、‥あ‥っ、やめ、‥いた、いたい!青峰!」
萎んだ状態の火神のペニスを力強く握る。
痛いと懇願する火神のことなんてお構いなしで、仰向けになっていた体勢を今度はうつ伏せに変える。
下半身から来る痛みと、急に体勢を変えられたことに身体の節々に痛みが走る。
尻が突き出しになる格好で、羞恥と同時に後悔が募る。
気持ちを確かめたいが為にあんなことするんじゃなかった、と今更思ってももう取り返しがつかない。
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