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⑤
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「なんの話しをしていたのだよ」
桃井と黒子が食事を終え帰っていってから一人黙々と後片付けをしていればそれを手伝いながらも緑間が問いかけてくる。
少し言いにくい内容だなと思っていればそれを察したのか最初偶然にも病院で再会した時の様にそれ以上は何も問いかけてこなかった。
大体の片付けが終われば時刻は二十時を過ぎていた。
何か番組はやっていないかとリモコンに手をかけた時急に緑間の携帯が着信音を鳴らした。
着信音に桃井の言葉と昨日のことを思い出し一瞬背筋が凍るもまさかな、と携帯から目を反らせば緑間が着信を止め電話に出た。
「‥‥はいもしもし‥‥‥‥青峰?」
そのまさかだった。
緑間にも連絡してくるなんて思わず俺がここに居ることを止めようとしたが電話での会話の方が早かったのか何も知らない緑間は「火神なら俺の家に居てるが?」と返答した。
「おい青峰!‥‥‥電話きりやがったな」
電話を突然切られたことに機嫌を悪くしたのか緑間が舌打ちを漏らした。
一体なんなんだと緑間が俺に視線を向けてきた。
こうなったら最初から話すしかない、と緑間にことの説明をした。
すると
「簡単なことなのだよ」
「は?」
「平然な顔をしてもうお前の所にもプロ選手にも戻ることはないとはっきり伝えたら良いのだよ」
「‥そ、それはそうだけどさ‥‥でも別に青峰が嫌いな訳じゃないんだ。そう言ったらアイツ勘違いするんじゃ‥‥」
「お前は青峰のことをどう思っているのだよ?」
どう思っているのか?
緑間にそう質問されれば言葉が詰まる。
学生時代からお互い気が合う同居人?
決して嫌いになった訳じゃないのは断言できるがどう思っているのかなんて考えれば答えなんて出てこない。
本当に自分は青峰のことをどう思っているのかその言葉今現在頭の中で何度もリピートされている。
「‥んなの、分かんねーよ‥アイツ俺が引退宣言する前からなんか様子可笑しくてきっと俺は嫌われたんだと思ってたのにこんな風に日本まで追いかけてきてさ‥‥アイツのこと考える度‥」
「青峰のこと考える度胸が痛くなるのだろう?」
「‥‥‥ああ、凄く痛ぇ‥」
「それはお前がアイツのことを恋愛感情として好きだと思っているからなのだよ」
緑間自身火神に恋慕を抱いていたからこそ分かること。
今こうして気付かせてやるのも何だか気にくわないがこんなことで苦しんでいる火神を見るのが耐えれず答えを教えた。
ピンポーン
緑間が返答してから数分沈黙が流れ始めていた所でそれを邪魔する様にインターホンの音が室内に響き渡った。
きっと青峰に違いない。
青峰に対してどう思っているのか辿りついた矢先に顔を合わせるなんてもっとどんな顔をしたら良いか分からなかった。
「火神‥‥‥青峰を部屋に通すぞ」
「あ、ああ」
ドックンドックンと今までにないくらいの自分の心臓の速さが身体から伝わってくる。
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