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⑦
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「で、忘れてましたけど火神君そろそろ帰りましょうか」
俺の中の誤解も解け久しぶりに顔を合わせた青峰と会話が盛り上がっていれば黒子が急に水をさす様なことを口にした。
そんな黒子に俺も驚いたが青峰は文句を垂れていた。
「テツお前、真面目過ぎんだよ!それにこれは不可抗力だ不可抗力!」
「そんなの言い訳になりませんよあの人達には」
黒子が云う あの人達 と云うのは桃井と監督のことを言っているのであろう。
その言葉に俺もそうだよなと黒子と同じ意見に変わる。
「んじゃあ!黙ってたら問題ねぇよ!」
「そういう問題なんですか」
「そういう問題だっつーの」
黒子を強引に押し切り何を思ったのか青峰は立ち上がり「おら行くぞ火神!」と俺の腕を掴んでは 引っ張ってくる。
仕方ないな と黒子の声が聞こえてきた頃にはもう店内から出ていた。
「‥‥‥おい青峰!」
「あ?なんだよ!」
「なんだよじゃねーよ!どこ行くんだよ!」
「何処ってお前ん家しかねぇーだろ」
それはそうだ。
他に行く場所と言えばバスケができる公園しか思い浮かばない。
足取りも早く会話を続けていればあっという間に俺の自宅のマンションに着いてしまった。
部屋の主は俺だと云うのに鍵を貸せば慣れた様にドアを開け奥にへとズカズカ入っていく。
リビングまで来れば肩にかけていたスポーツバックを脱ぎ捨てソファに腰をかけ足を組んでいる。
そんな青峰の行動にいつもなら「あつかましい!」とか「スポーツバックを投げ捨てるな!」とか小言を零していたが会うこと自体久しぶりだった所為か今日は何も思わなかった。
「お前もこっち座れよ」
ポンポンとソファを叩き青峰の隣に来る様に誘われた。
少し頬を赤らめながらも大人しく隣に座った俺に青峰はいきなり唇を重ねてきた。
「‥‥!?」
「まぢでそろそろ限界だったんだよ」
俺もだなんて口には出来ないが目線をわざと背ければぎゅうっと抱きしめられた。
「お前は寂しくなかったんかよ?」
「‥‥さぁな」
「かはっ!素直じゃねぇーやつ!」
そう言って笑う青峰に俺はくだらないことを悩み過ぎたな、といま思えば笑えることだった。
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