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③
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「ーーで青峰っちどういうつもりっスか」
「あ?んだよ急に」
上演時間までまだ時間があるということで結局四人で映画を観ることになったのだが 「ちょっと飲み物買いに行きません?」と黄瀬に誘われ二人きりになった所でそんな質問をされた。
「どうせ黒子っちに聞いたんでしょどこにいるのか」
「は?アホかそれはテツの方から言ってきたんだよ」
「だからってどうして桃っちまで誘ってここまで来たんスか?もしかして青峰っちも火神っちのこと好きな訳?」
「はぁ!?好きってなんだよ!そんな訳ねぇ」
思わずカッとなり黄瀬の質問にそう受け答えした瞬間ガタッと後ろの方から物音が聞こえ振り返ると俺達の後を追って来ていたのか放心していた火神がそこに居た。
「……いや、違ぇぞ火神っ!今のは…」
「分かってたぜ」
「は?」
「お前が俺のこと好きじゃないって前々から分かってた」
ちょっと待ってくれよ。
黄瀬との口論でついカッとなりそう言ってしまっただけであって好きじゃない訳じゃない。
「俺がどんなけお前のことバスケで尊敬してたってお前は俺のことどうも思ってねぇんだろう」
「いや、待てって火神…」
「だけど俺達も今年で卒業だしウィンターカップが終わったら会うこともねぇしな」
火神のそんな言葉達に結局自分の本心が言えず「ああ…そうかもしれねぇな」と半分投げやりな返事しか出来なかった。
隣で俺達の会話を聞いていた黄瀬もまさかこんな場面になるとは思っていなかったみたいでなんて声をかければ良いのか戸惑っていた。
とりあえずこんなことがあってこの後仲良く映画なんて観れる訳がない
「おい黄瀬、さつきに先帰るって言っといてくれ」
「え!?青峰っち帰るんスか?」
「ああ帰る」
はっきり言い切った俺にそれ以上何も言えなかった黄瀬は返事の代わりにこくりと頷いていた。
帰り際火神が何か言いたそうな顔をしていたがあえて俺はそれに気付かないふりをして映画館から立ち去った。
「ーーで、帰ってきたと…君は」
「いやー…だってよぉーあそこまで火神に言われたら俺だってなんて言ったら良いか分かんなくなっちまったんだよ」
それからこのまま帰宅するのも嫌でまだあいつ等は居てるかな、とさっきまでいた公園に顔を覗かせた。
するとまだ誰も帰らずなんだかんだと三人とも残っていたみたいでベンチで休憩している黒子に話を聞いてもらっていた。
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