アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
真白の落ち度
-
「……真白、報告することは?」
なんで今?この状況で?
真白は佐伯の自身を体内に迎え入れたまま、先程からおあずけをくらっていた。対面座位で、真白は膝を立てて折り曲げ、それごと佐伯に抱きかかえられて自分で動く事がほとんど出来ない状態で、耳元で佐伯に詰められていた。
「…さえきさ…ん…おねがい…うご…いて…」
「報告してない事があるだろう? 真白? ほら、ちゃんと報告」
佐伯のモノを挿れる前にさんざん焦らされ、やっと佐伯が挿れてくれたのに、ちっとも動いてくれない。もう真白は爆発しそうなぐらい、焦れて焦れて中がドクンドクンと佐伯のモノに絡むように蠢いていた。佐伯の肩に手を置いて力を入れて動こうとしようと悶えるが、佐伯が真白をさらに強く抱きしめる。佐伯に動いてもらおうと、中を締めて佐伯のモノを締め上げるが、佐伯は余裕で真白の耳の軟骨を甘噛みして、それをかわす。
「…あ…ぁ…っ…さえき…さん…さきに…」
「…ダメ。報告が先だよ。真白、俺は隠し事は許さないって言っただろう?」
「…ん…あっ…なに? なにを…?」
調査報告書はちゃんと提出した。他に報告することなんて、ない。そう思っていた。でも佐伯がいう報告は、やはりあの事だろうと真白は思った。隠すつもりはなかった。ただ何と言っていいのか迷っていただけだった。タイミングを見て話すつもりだったのに、セックス中に佐伯に詰められるなんて思ってもみなかった。真白は長い時間、ゆるゆると決定打のない快楽に翻弄されて、もう限界だった。今日は一度イかせて貰ったが、その後の快楽に敏感になった体に、長い愛撫をされ続けられていた。
「分からないフリ? 可愛くないね、真白」
「…わ、わかってます…だって…あっ…」
軽く佐伯が一度真白の中を穿った。真白はその軽い振動にも体が敏感に反応して、全身に快楽が駆け巡り悶えた。佐伯の自身が波打っているのか、自分の中が波打っているのかもう訳が分からなくなってしまって、真白は佐伯の鎖骨を甘噛した。なんとか理性を留めようとする真白の小さな抵抗だ。
「……だ…て…暗くて…あれが…いて…」
「うん?」
「気付いたら……あっ…だきあげ…られて…た…から…」
「不可抗力だって言いたい訳だね?」
「だって…だって…」
「確かに、仕方なかったね。それで、真白?」
佐伯の声が低くなる。佐伯は腹を立ててる。真白はもう分かっていた。高瀬に抱き上げられてしまったのは仕方ない、不可抗力だ。しかし早くに報告をしなかっただけでなく、佐伯に詰められてから白状するというのは真白の完全な落ち度だった。
「…ご、ごめん…な…さい…ごめんな…さい…」
「どうして早く言わなかったの? 隠せると思った?」
「おもって…ないで…す…」
「じゃあ、なんで?」
「……こわい」
「怖い?」
「あ…こわい…みはなされ…たくない…」
「どうして俺がお前を見離すわけ?」
佐伯は真白の顔を上げさせるために、真白の後頭部を掴んで上げさせる。真白もそれに従って佐伯を見た。大きな瞳はゆらゆらと揺らめいて、今にも涙がこぼれそうだった。佐伯は優しく微笑み、真白に先を促す。真白はゆれる瞳を佐伯に真っ直ぐ向け、快楽なのかそれとも恐怖なのか分からないが細かく震える体を佐伯の肩を掴んで堪えた。
「俺…佐伯さんに見合ってない…佐伯さんがどうして俺なんか…良いんだか…分からない…こわい…」
絞り出すように真白が呟いた。小さく震え、掠れた声。真白は以前から不思議だった。佐伯がどうして自分なんかが良いのか…佐伯は真白にいろんなものをくれる。それは物欲ではなく、心だった。安心して安らげる場所が佐伯だ。でも真白は佐伯にそんな場所を与えているとは思えない。自分は弱くてちっぽけで、いつも佐伯を心配させてる。もういらない、そう言われるのが怖かった。
「なるほど…どうして真白はそんなに自己評価が低いのかな…? 俺からしたら真白はスゴイんだけどね」
「全然…スゴクない…」
「真白のスゴイ所はね、言葉に出来ない所もたくさんあるから…そうだな…とりあえず、料理が上手。今まで作ってくれた料理、全部美味しい」
「…なにそれ…」
「まだあるよ。怖くても立ち向かう強さがあるよね。あの報告書の…マモンの写真、よく撮れてたよ。怖かっただろうに…よく頑張ったね…真白…」
「…そ、それは…」
「それと、何をしてても壮絶に可愛い。ただ時々、会社で俺の事考えてエロ可愛い顔されると、本気で部屋に閉じ込めたくなるけどね」
「……佐伯さん…もういい…」
「なんで? 真白の良い所挙げるんでしょう? かなりあるから時間かかるね」
「…恥ずかしいから本当にもういいです…」
真白はもう色々と恥ずかしくって居たたまれない。佐伯は真白をからかっているのか、本気なのかは分からない。でも、高瀬の事で、真白に呆れて見捨てる事はないようだった。真白が安堵に包まれると、真白の中がドクドクと早く脈を打つように動き始める。本当はずっと動いているのだが、真白が意識しはじめ、佐伯の優しさを受け止めて、真白は感じたのだ。
「…ん…あああ…な…なか…」
「中がすごい動いてるね…感じちゃった? 自分には良い所がたくさんあって」
「ちが…う…さえき…さん…」
「うん?」
「もう…おねがい…うごい…て…っ」
「真白が動けばいいよ…」
「…だって…うごけない…」
真白は佐伯に抱きしめられて動けない。それを動けって言われても困る。早く佐伯に動いてもっと決定的な快楽が欲しいのに。
「ほら、真白はさっきから動いてるよ…奥、ちゃんと感じて…」
佐伯が耳元でそういうと、真白はゆっくり目を閉じ佐伯がいつも突いてくれて一番感じる最奥に神経を向けてみた。佐伯の自身が最奥にいる。体位のせいか、いつもよりも深い所にいる。熱くて波打っている。波打っているのは自分なのか佐伯なのか…そう感じ始めたとき、二人が溶け一緒になっていくような感覚に襲われた。
「…あああ、ああああ!!!さえきさん!!」
「すごいね…真白…」
佐伯は更に真白を抱きしめ、真白の肩口に顔を埋め、真白が与えてくる快楽に耐える。真白の中はビクビクと細かく振動しはじめ、いつもよりも大きく波打ち始める。真白は自分自身ではどうにもコントロール出来ない大きな快楽の波に襲われ瞳を大きく見開いた。真白の中は佐伯の自身を断続的に締め上げる。佐伯も耐えられずに、真白の中に欲望を吐きだした。真白は一瞬体を硬直させ中だけでイき、佐伯の胸に倒れ込む。ハアハアと息が上がり、体は絶頂を迎えブルブルと震える。しかし、まだ中が波打ち、まるでずっと絶頂を迎えているかのようだった。
「ひっ…ああ…あああ…や…とまん…ない…なか…ああ…」
「ずっとイってる? すごいね…真白…」
「ああ…っ」
次々と襲う快楽の波に耐えられず、真白は大粒の涙を大きな瞳から流しながら意識をゆっくり手放した。佐伯はまだ真白の中に留まり、真白の中を楽しむ。ぐったりと自分に寄りかかり意識のない真白は、全権を自分に手渡した状態だ。こんなに可愛い真白を佐伯が見捨てたりするわけがない。でも、不安に苛まれて悩む真白は、魅力的だった。
初めて出会った時、月明かりの下で、何を思っていたのか儚い表情で涙し、こちらを見た。その瞳に佐伯は一目惚れしたのだから。真白を半ば強引に手に入れてからも、時々佐伯を見て真白の不安げでゆらゆら揺れる瞳と儚い表情は、自分の事を考えてしている顔だと思うと、佐伯はなんとも言えない気持ちに持ち上げられる。本当に性格悪いな…と自分でも思うが、今更変えられる気がしないし、変える気もなかった。力なく、佐伯に寄りかかる真白を見つめる。
お前の落ち度は、俺を選んだ事だよ。
…ごめんね、ありがとう。
愛しみながら、真白の額にキスを一つ落とした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 255